アムウェイ取引停止の影響を徹底分析!なぜ今?収入はどうなる?
突然告知された、アムウェイの半年間に及ぶ取引停止処分。今後の活動に不安を感じているABOも多いのではないでしょうか。この記事で解説する『今後の活動方法』や『業界の動向予想』を知っていただくことで、これから具体的にどう動いていけばいいのか見通しが立てられます。記事内では『処分に至った経緯』や『消費者を守る社会の風潮』についても言及しています。一段掘り下げた視点から今回の処分を理解し、今後ますます強まるであろう『小売マーケティング強化』の流れを確実につかみましょう。
アムウェイにくだされた取引停止命令の概要
2022年10月14日、消費者庁は日本アムウェイに対し半年間の『取引停止』を命じました。処分の原因は特定商取引法の違反です。取引における公平さや消費者側の利益を著しく害した事実が認定され、厳しい処分がくだされたのです。取引停止の期間は、2022年10月14日から2023年4月13日の6ヵ月間。連鎖販売に関わる一連の業務が制限されるとともに、消費者庁の指示に基づいた再発防止策の構築・コンプライアンス体制の強化が図られます。
国内最大手のMLM企業であるアムウェイに初めて取引停止が命じられたことで、業界に限らず世論からの注目度も高い今回の事件。なにがあったのか・これからどうなるのか、さまざまな観点から紐解いていきましょう。
アムウェイの取引停止処分によってABOが受ける影響とは?
これからどうするかを考えるためには、今の現状を正しく知ることが不可欠です。連鎖販売取引はもともと制限されている事項が多いビジネスモデル。理解不足は刑事罰に問われる可能性もあり、「知らなかった」では済まされない優先度が高い問題です。取引停止によってできなくなったこと・引き続きできることをしっかり理解し、今後の見通しを立てる判断材料にしましょう。
できないこと『勧誘活動および新規会員登録』
アムウェイに対する取引停止命令で禁止された活動は以下の3つ。
- 連鎖販売取引への勧誘を会員に行わせること
- 連鎖販売取引の契約申込みを消費者に受けさせること
- 連鎖販売取引についての契約を締結すること
つまりは、ABOはビジネス会員へ勧誘する活動を一切禁止され、アムウェイも新規会員登録を受け付けられないということです。組織の代謝が一定期間止まることになり、新規会員獲得を収入の軸にしていたABOにとっては大きい痛手になるでしょう。
できること『現会員および消費者への小売販売活動』
一方で引き続き行えるビジネス活動もあります。
- 現会員への小売販売
- 一般消費者への小売販売
会員への勧誘を伴わない小売販売に限れば、組織内・組織外関係なく今まで通りの活動を行えます。逆説的に言えば、製品自体には問題がないことの裏付けとも言えるでしょう。後半で詳しく解説しますが、今後は小売活動が強化されていく流れになるだろうと予想されています。
アムウェイはなぜ取引停止処分に至ったのか【4つの違反行為】
今回消費者庁が提示した処分対象の事例には、4つの特定商取引法違反が認められました。再三ABOへの注意喚起を続けていたアムウェイにとって、悔やんでも悔やみきれない事案です。処分は『目先の金を追いかけた短絡的で自己中心的な勧誘』の結果であり、アムウェイからABOにより厳しい指導が行われることは免れないでしょう。今回処分された4つの違反行為を反面教師とし、あなたのABO活動の見直しにつなげてください。
1.社名や目的を言わずに勧誘した
勧誘することが目的である場合、先立って相手に対し、アムウェイの名称や特定負担を伴う取引への勧誘であることを明らかにしなくてはいけません。「食事だと聞かされてたけど、行ってみたら勧誘だった…」というトラブルは非常に多いケースです。今回問題になった事例でもすべてにおいて、マッチングアプリやSNSを通じた『明示義務を果たさない面会要求』が確認されました。
2.目的を告げずに誘った相手を密室に連れ込んで勧誘した
明示義務違反とセットで語られるのが『密室勧誘の禁止』です。MLMへの勧誘であることを明らかにしないまま、公衆が出入りできない場所(密室)で勧誘を行うことは禁止されています。今回もマンションの一室や事務所が使用され、処分の対象になりました。消費者側の立場に立てば、閉じられた空間で勧誘を受けることが非常に強いストレスになることは容易に想像できます。
3.相手の意向を無視して一方的に勧誘を続けた
消費者が契約しない意思表示をしているにも関わらず、その意見を否定したり強い口調で執拗に勧誘を続けることは『迷惑勧誘』の対象です。処分対象の事例では密室勧誘も同時に行われており、入会を承認しなければ帰らせてもらえない環境や雰囲気が作られていました。被害者は「恐怖を感じた」と証言しており、非常に悪質な勧誘の実態が明らかになりました。
4.契約締結前に書面を交付しなかった
特定負担(MLM入会にかかわる全ての金銭的負担)の契約を結ぶ際は、前もって連鎖販売業の概要について説明された書面を交付しなければいけません。今回処分されたケースでは積極的に交付しなかったのはもちろんのこと、「カタログを欲しい」と要求されたにもかかわらず、渡すことを拒んだことが明らかになっています。消費者自身が契約内容を精査する機会を奪い、都合よく操作する意図が見える勧誘態度だといえます。
アムウェイからABOへの厳しい再注意喚起
一般論では「会社ぐるみで不正行為を働いてるんでしょ?」と語られがちですが、アムウェイとABOの関係は”雇用関係ではない”ため、少し認識を正す必要があります。アムウェイとABOの関係はあくまで『取引先』。ABOは”個人事業主”と認識され、フランチャイズの本部と店舗の関係によく例えられています。アムウェイ側にも管理責任はあるものの、不正を働くABOを擁護することはありません。あくまでBtoBのつながりなので、アムウェイの企業イメージを壊す行動は厳密に処分されるのです。
なぜ今アムウェイに取引停止処分がくだされたのか【社会の動向】
この項では、今のタイミングで取引停止処分を引き起こした『社会の動向』について着目していきます。今までも一部の会員の悪質勧誘はアムウェイ本社に問題視されていました。今後はより処分が厳格化され、取引停止解除後もその流れは弱まることはないと考えられます。消費者側の予防意識も高まっており、前述した違反行為は通用しない(儲からない)手法になっていくことを理解しましょう。
ABO逮捕事件以降のアムウェイの動きが注視されていた
2021年11月、マッチングアプリで知り合った女性をアムウェイへの勧誘という目的を告げず連れ出し、男女二人が特定商取引法違反の疑いで京都府警に逮捕された事件が発生しました。この事件は逮捕者の一人が教育委員会の職員であったこともあり、驚きを持って報道されました。この件を通じて消費者側に「逮捕してくれるんだ」という意識付けが広まり、苦情相談数が増加。相談数は過去3年半で合計953件にも上り、今回の取引停止処分につながりました。
成人年齢が引き下がったタイミングでMLMへの監視が強まった
2022年4月より成人年齢が18歳に引き下げられました。金融リテラシーが不十分な若年層が、保護者の同意なく契約を結ぶことが民法上可能になったことで、「カネ貸しやMLMにまつわるトラブルが増加するのではないのか?」と物議を醸しています。懐疑的ではありますが、今回の取引停止命令は「金融トラブルを厳罰化するという消費者庁の意思表示」という見方もあるようです。真意はともかくとして、世論がMLMの金融トラブルについて再意識するキッカケになったことは間違いないでしょう。
近年の消費者庁は『消費者を強く守る行動』に定評がある
今回のアムウェイに限らず、『最近の消費者庁はキレが良い』と、その仕事ぶりがしばしば話題にあがります。近々の事例では、大幸薬品の販売する空間除菌剤『クレベリン』に対し、広告に書かれた効果・効能が『根拠なし』ということで措置命令がくだされています。ほかにも2015年、”吊るすだけ・置くだけ”の空間用虫よけ剤にも「表示に根拠がなく景品表示法違反にあたる」と措置を命じ、話題になりました。
いずれのケースも、消費者の判断を操作する『優良誤認』に該当しています。今回の悪質会員によるアムウェイへの勧誘も、まさに優良誤認のど真ん中。『消費者が正しく理解した上での意思決定』を重視する消費者庁の態度が存分に現れた処分だといえるでしょう。
アムウェイ取引停止後の活動方法や収入元はどうなる?【小売強化】
悪質な勧誘が通用しなくなることは、あらゆる面で前向きな流れであることは間違いありません。ただし『とにかく多くの新規会員を獲得する手法』で収入を得ていたABOは、働き方を変える必要に迫られるでしょう。具体的には『小売活動』が主流になると考えられています。この項では過去に取引停止処分を受けたMLM企業の動向や、有名ABOの考察をもとに、小売の流れが来る根拠を示していきます。これからの活動方法に見通しを立て、取引停止処分を乗り越えていきましょう。
近年取引停止処分を受けたMLM企業から見る今後の動向
毎年MLM企業売上ランキング上位に名を連ねる有名企業、ナチュラリープラスとフォーデイズの2社を例に、取引停止処分後の動きを予想していきます。それぞれ、ナチュラリープラスは2016年に9ヵ月間の取引停止命令、フォーデイズは2017年に6ヵ月間の取引停止命令を受けています。各社の売上推移は以下の通りです。
ナチュラリープラスに限らず多くの企業は、取引停止後に一定数売上が落ち込むのが普通です。ただ注目すべきは、フォーデイズが売上を維持し続けているということでしょう。なぜフォーデイズは取引停止処分後も売上を維持できたのか?それは取引停止処分以前から『愛用者への小売割合が大きいビジネスモデル』だったことが関係しています。
フォーデイズは会員の平均年齢が60歳程度と比較的高め。その背景には、ターゲットを絞った製品開発を行うことで『その製品を使い続ける愛用者を取り込む』という戦略がありました。求めている人に求めているものを提供するという『本質的な小売戦略』によって、フォーディスは新規会員獲得に頼らない収益基盤を作り、取引停止にも耐えうるビシネスモデルを作ったのです。
アムウェイは会員の実に9割がビジネス目的の会員だと言われています。そのためナチュラリープラス同様、取引停止期間後の売上低下は防げないであろうと考えられます。その中で生き残っていくためには、小売で安定した売上を立てる仕組み作りへ向け、いち早く動き出すことが大切です。
レジェンド会員も小売りを強化する声明を出している
アムウェイで最も稼いでいるレジェンド中のレジェンド『中島薫』氏も、自身のメールマガジンで「製品の小売りに集中しよう!」と提案しています。取引停止期間を前向きにとらえることで、グループの売上を伸ばすチャンスになると分析しています。
ほかにも、ABO向けのオンラインサロン”Playfully”の主催である『山崎拓巳』氏と『山崎義幸』氏がFacebookにて緊急ミーティングを開催。「ピンチのときこそ小売りマーケティングの地力が試される」といった内容が語られたようです。
いわゆる『ハイピン』と呼ばれるABO達が、そろって小売りマーケティングへ意欲を見せています。それは小売り以外の活動が禁止されているからだけではありません。リピート率が高い優良顧客である『愛用者』を増やすことこそ、永続的に成長していく組織の基盤になると理解しているからです。自費購入やノルマ管理といったネガティブな体質から抜け出し、ストック型の収入を生み出すグループの構築を目指していきましょう。
愛用者を獲得する具体的な方法とは?【消費者の悩みへ寄り添う】
愛用者を獲得するためには、その人がどんな悩みを持っているかへの理解・その悩みを一緒に解決したいという態度が大切です。人が「〇〇を買いたい」と意思決定する理由を突き詰めていくと、その全ては『何かしらの問題を解決したい』という目的につながることに気づきます。
悪質勧誘で多く見られる「この製品めっちゃいいからとにかく使ってみてよ!」という態度では、永続的な製品購入を生み出すことは期待できません。まずは共感ファースト。「その悩みつらいよね…私も同じだったけど今はこれ使ってるんだ」という態度でマーケティングすることで初めて、消費者が主体的な製品理解に努めてくれるのです。
もちろんメリットだけを語っても相手の心には響きません。実際にあなたが使って「こんな風に生活が変わったよ」という本心からの恩恵を示してみましょう。”自分に向いたベクトル(報酬)”ではなく、”目の前の人に向けたベクトル(貢献感)”を軸にマーケティングすることで、自然とあなたから購入してくれる愛用者は増えていくでしょう。
まとめ:『小売りマーケティング強化』の流れに波乗りしよう
この記事では、アムウェイの取引停止処分による『業界の動向予想』や『今後の活動方法』について解説してきました。今後のABO活動への不安を無くすためには、これからどうなっていくのか・今何をすればいいのか見通しを立てることが大切です。
この記事で解説した具体的なアクションプランを参考にしていただき、『小売マーケティング強化』の流れを確実につかみましょう。当店はアムウェイ製品買取を通じ、ABOの小売活動をサポートをさせていただいています。在庫管理でお困りの際はぜひご相談いただき、愛用者を増やしてく本質的なマーケティングを叶えて行きましょう。